4月1日。
新年度になった。
だけど、生活は何も変わらない。
——と思っていたら、ひとつだけ嬉しいニュース。
3か月間、
照明のLED交換で閉館していた市立図書館が、
今日から再開した。
嬉しくて、
原付バイクを飛ばして向かう。
駐車場はもう満杯。
でも私は原付。
駐輪場に停めて、すぐ中へ。
北九州に来て、
最初に図書館に行こうと思ったのは12月。
でも、1月からは閉館。
だから、ほぼ初めての利用になる。
館内は人が多かった。
きっとみんな、
この再開を待っていた人たち。
そう思うと、少しわくわくする。
私のお目当ては、
最近再読を始めた綾辻行人。
好きな作家なのに、
実は全作品は読めていなかった。
再読と、新しく読むものを探すため、
PCの前に座る。
人気の「館シリーズ」は、
やっぱり人気作品しか置いていない。
ほとんどが、もう手元にある既読本。
それでも、
文庫で4巻になる
「暗黒館の殺人」と、
まだ未読だった
「奇面館の殺人」を借りられた。
さらに、
たぶん5年くらい前に読んだ
「殺人鬼」シリーズも。
きっと、1週間ももたない。
それくらい、私は家に引きこもっている。
最近は、
ハマれる韓国ドラマも見つくしてしまった。
何周目かわからない作品も、
ちらほら出てきている。
だからこそ、
こんなに読める本があるのが、ありがたい。
……でもきっと、
これもあっという間に読み終わる。
次に私を楽しませてくれるものが、
ちゃんと現れるのか。
それが、少し怖い。
そんなことを考えながら、
まず「殺人鬼シリーズ」に手をつける。
読んだはずなのに、
内容をまったく覚えていない。
そして今、午後5時。
午前中に借りてきた2作を、
もうほとんど読み終えてしまった。
ドロドロで、ざくざくで、
ひたすら惨殺が続く物語。
なのに、
子どもの描写が出てくると、
私の思考は、
不妊治療のことへと飛ぶ。
最近ずっと考えているのは、
受精卵が複数できたとき、
2個戻すか、1個戻すか。
この問いを、
何度も、何度も考える。
私はいまだに、
子育てをする立場になるのが怖い。
子どもが健常児じゃない可能性の方が、
高い気がしてしまう。
だから、ずっと
「いらない」と思っていた。
でも、
その気持ちに少しずつ変化が出てきている。
夫との関係も、
3年前の「事件」から、
だいぶ良くなってきた。
そして、
昔からずっと変わらない気持ち。
——夫を、お父さんにしてあげたい。
だからこそ、
昨年末、
「とてもいい状態」と言われた受精卵が
妊娠にかすりもしなかったとき。
転院して、
4つ採れた卵が
ひとつも受精しなかったとき。
正直、ショックだった。
その過程で、
「いやいややっている」という自分の気持ちが、
少し揺らいだ気がする。
なんとしてでも妊娠したい、
……とまでは言えない。
でも、
もし子どもがいるなら、
双子でもいいと思えるようになった。
年齢的に、
着床率は下がっていく。
2つ戻しても、
どちらも着床しない可能性だって高い。
0人か。
1人か。
2人か。
ここまで、
時間も、労力も、精神も、体力も、
そしてお金も使ってきて。
もし、何も残らなかったら。
私は——
何もせず、
ミステリと韓国ドラマを消費する日々を、
あと40年続けるのだろうか。
外に働きに出る自信はない。
自分で何かを始める体力もない。
だったら、せめて。
夫に「生きがい」を与えることが、
私が生きている意味になるんじゃないか。
——そんなことを、今もずっと考えている。